ダイジェスト&ギャラリー
21 SHOTS【作品について】
市営団地の片隅で、無垢なが堕ちていく…。暴力と絶望が支配する、狂気の淵。
じめじめとした梅雨の気配が、古びた市営団地全体を覆っていた。カビ臭い廊下の奥、わこちゃんの部屋から微かに漏れる生活音。しかし、それは以前のような無邪気なものではなく、どこか怯えたような、小さく震える音だった。首筋にまとわりつくような熱気が、閉鎖された空間の異様さを際立たせる。喉の奥がひりつき、鉄の味がじんわりと広がる。壁に染み付いたタバコのヤニと、微かに香る洗剤の匂いが混ざり合い、独特の不快感を煽る。夕食の支度をする音も途絶え、ただ重苦しい沈黙が部屋を満たす。窓の外では、団地のたちが無邪気に遊ぶ声が響いているが、その声はわこちゃんの耳には届かない。ただ、首筋に残る微かな痛みと、あの日の記憶だけが、鮮明に蘇ってくるのだ。逃げ場のない、絶望的な現実がそこにあった。
- ▸汗ばむ肌の匂い
- ▸喉元の渇きと痛み
- ▸鉄錆びた団地の空気




















