秋色のエチュード 高樹陽子

TOKYOパリス··2026/07/04

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シーン 1
【作品について】

秋色のエチュード 高樹陽子――紅葉散る庭園で紡がれる、秘められた旋律

一瞬の視線、触れる指先。全てが音を忘れた夜の協奏曲。

秋の陽が差し込む書斎。彼女の指が鍵盤を滑るたび、空気が震える。隣に座る彼は、その指に触れたくなる衝動を抑えられない。二人だけの小さな音世界、外のざわめきは遠く。彼女がふと顔を上げ、瞳が合う。その瞬間、全ての音が消えた。 庭園の紅葉が風に舞い、一枚の葉が彼女の肩に落ちる。彼はそれをそっと払うふりをして、指を首筋に這わせる。彼女の息が止まる。引き寄せられるまま、二人はソファに沈み込む。窓の外、落ち葉が積もる小道を誰かが歩く足音。 彼の手が彼女のブラウスのボタンを一つ外す。冷たい空気が肌を撫でる。彼女は震えながらも、彼の胸にすがりつく。壁に映る影が一つになり、ゆっくりと動く。時計の秒針だけが、規則正しく刻む。 夕闇が部屋を包み込み、二人はまだ、絡み合ったまま――。

  • 紅葉の庭園で交錯する視線
  • 指先だけで紡ぐ密やかな合図
  • 夕闇に消えゆく背中の記憶

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