親友のお姉さんシリーズ 下着の体温(ぬくもり) 伊藤さやか

TOKYOパリス··2026/07/04

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【作品について】

親友の姉の部屋で見つけた秘密。彼女の下着に残るぬくもりが、夜の静寂を破る――伊藤さやか

彼女のいない部屋。タンスの奥に隠された、もう一つの温度。

親友の姉・さやかが旅行で不在の夜。彼の目は、洗濯籠に落ちたままの下着に留まる。指先で摘み上げると、布地から仄かに香る石鹸と汗の混じった匂い。柔らかな綿が掌に吸い付き、彼女の体温をまだ閉じ込めているかのよう。窓辺に差し込む月明かりが、繊維の凹凸を浮かび上がらせる。彼はそのまま手のひらに包み込み、耳を澄ます。遠くで時計の秒針が刻む音だけが部屋を支配していた。想像が膨らむ。彼女がこの布を身に着ける朝の動作、肌に触れる瞬間の感触。布の裏側に残る彼女の生命の痕跡が、彼の理性をじわじわと浸食していく。突然、玄関の鍵が開く音。慌てて引き出しに押し込んだ手が震える。廊下を歩く足音が近づく——彼女が帰ってきたのだ。見上げた先、開いたドアの向こうで、さやかが口元に含み笑いを浮かべていた。しまった、という顔の彼に、彼女は無言で手を差し出す。その掌に乗せられたのは、対になるもう一枚の布。すべてお見通しだった。言葉にならない空気が、二人だけの秘密を紡ぎ始める。

  • 残り香が誘う官能の領域
  • 視線の先にある背徳
  • 静寂を破る吐息の音

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